こんな留学は失敗する。カナダ高校留学失敗の「原因」と「対策」

「海外留学」に失敗したくない!

事前対策・心がまえ

「子どもの将来の選択肢を広げるための留学。ぜひ成功させたい!」

「高いお金がかかる留学、失敗したくない!」

「英語を習得して、海外で貴重な体験をしてほしい!」

大切なわが子の留学となれば、親としてはそんな思いがよぎるのではないでしょうか。

しかし、残念ながら留学の「失敗」も少なくないのが現実。SNSや留学エージェントの説明会で見聞きするキラキラの話の裏側に、語られていない失敗談が数多くあります。

ではそんな「失敗」はなぜ起こるのでしょう。特に「カナダ高校留学」に失敗が多いといわれる理由はなに?

この記事では、マレーシアとカナダの2カ国での教育を経験している私Yurikoの目線で、「留学失敗の原因」と、「失敗を避ける方法」についてまとめました。

この記事を書いているYurikoって?

マレーシアに3年、カナダに2年。小中学生の子どもを海外で5年間育てています。「はじめの一歩」にふさわしい東南アジアの国・マレーシアと、クセのない英語を話す北米の国・カナダ。留学や教育移住に人気の2カ国両方を経験している独自の視点で、小中学生留学の心がまえと成功の秘訣をお伝えします。 この記事を読むと、「留学失敗の避け方」がわかり、わが子に「グローバルに活躍する未来」という選択肢をふやすことができるでしょう。

Yuriko<br><br><br>
Yuriko


せっかくの海外留学、失敗したくない!と考えているあなたのヒントになればうれしいです

1.なぜカナダ高校留学は失敗しやすいのか。失敗談・体験談

カナダは留学先として非常に人気がありますが、その裏には数々の失敗談も存在します。これらの失敗談から学び、どのように避けるべきかを考えていきましょう。

1-1.留学失敗談1:「英語力がなくても大丈夫」という印象操作をうのみにしすぎ

多くの留学エージェントは「英語力がなくても入学可能」といいます。また、親も「若いのだから英語は現地でなんとかなる」と考えがちです。

しかし、実際はそう簡単でもありません。

特に中高生以降の留学では、英語力が低いと授業についていけず、課外活動などを通して友人を作るのも難しくなり、孤立してしまうことがあります。英語力の不足は学業だけでなく、日常生活にも大きな影響を与えます。

Yuriko
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「英語力がなくても入学可能」なのと「入学後に安泰」なのは話が違うんですね

1-2.留学失敗談2:「引きこもりの生徒が成功した」特殊なケースを一般化しすぎ

日本の教育でうまくいかないから留学、というのもよく聞く話です。

一部の成功例が感動的に紹介されることがありますが、それはあくまで特殊なケースです。多くの子どもは引きこもりから一気に社交的になることは難しく、自分のペースで変化していく必要があります。無理に期待をかけると、逆にプレッシャーとなり逆効果です。

Yuriko
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大成功の事例もウソじゃないですけど、逆に「海外に来てひきこもりになった」ケースもあります

1-3.留学失敗談3:積極的な性格じゃないのにアメリカ・カナダを選んでしまう

積極的でない性格の生徒が北米の文化に早期に適応するのは、難しいです。

文化の違いやコミュニケーションの壁が大きく、消極的な性格の生徒が馴染むには時間と運が必要です。子どもの性格に合った留学先を選ぶことが重要です。

Yuriko
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特に北米は「自己表現力、自己肯定感、コミュ力、スポーツ」が正義。どれかに自信があればいいけど、そうでないなら要検討

1-4.留学失敗談4:親に「留学させられている」から自ら動けない

親の強い希望で留学を決めた場合、子ども自身が主体的に行動できないことが多々あります。

このような場合、現地での生活に興味を持たず、積極的に関わろうとしないため、結果的に失敗に終わることが多いです。

Yuriko
Yuriko

留学準備段階で積極性をまったく見せない子どもなら、タイミングがまだなのかも?

親の一存で進めず、子どもの様子を観察するのも大事

1-5.留学失敗談5:日本と比べる/日本の常識が忘れられない

留学先の文化や生活スタイルは日本と異なります。「日本ならありえない」「日本ならコレが常識」という思考は意識的に捨てる必要があります。

日本はかなり特殊な「整った」国。日本と比較するとどこの外国も「常識外れ」になるでしょう。現地の文化を受け入れる柔軟性が求められます。

Yuriko
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世界有数の素晴らしい国に生まれ育った宿命と思って、柔軟性を心がけるしかないです

1-6.どれくらいの割合の生徒が留学に失敗するの?

さまざまなデータで、1~2割が何らかの理由で留学を中断したり、期待通りの成果を得られなかったりすることが報告されています。

しかしこうした満足度調査は「満足したからこそアンケートに答える」ことが多いもの。実際にはそれより多くの人が不満を抱えていると予測できます。

Yuriko
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失望・不満を持った人は、体感的にはもっと多いですね


2.カナダ高校留学の失敗を防ぐためのコツ、5つのアドバイス

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留学の成功には、事前の準備と現地での適応が不可欠。ここでは、具体的なアドバイスを5つ紹介します。

2-1.英語力がないなら「卒業留学」ではなく「1年留学」にする

中学2~3年生や高校生以降の留学で英語力が足りない場合、最初から卒業を目指すのではなく、まずは1年の留学のつもりでいる方が無難です。

つまり、「戻る先」を確保して留学に臨みましょう。現地の生活や学習スタイルに慣れて「これなら卒業資格がとれる」と目算が立ったときに卒業資格取得を目指す留学に切り替えるのが現実的です。

Yuriko
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小学生からの留学の場合も、上記を念頭に英語力の伸びをチェックしていきましょう

2-2.英語力が低くても高い成績をとりやすい科目を戦略的にとる

英語力が不足している場合でも、高い成績を期待できる科目はあります。

例えば、「数学」は日本の方が進んでいるので有利です。音楽や演劇、調理、体育など言語にあまり依存せずに理解できる授業もあります。こうした授業にまじめに出席して好成績をとれば、全体の学業成績を維持することに役立ちます。

Yuriko
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英語力が足りない留学生におすすめ! 戦略的「選択授業・攻略マニュアル」という記事執筆も予定しているので参考にしてくださいね。

更新情報はXでつぶやきます。

2-3.自信が持てる特技をもっておく

留学先で自信を持てる特技があると、現地の生徒との交流がスムーズになります。

スポーツや音楽、アート、プログラミングやロボティクスなど、自分が得意とする分野で積極的に活動することで、現地の友人を作りやすくなります。

Yuriko
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特にスポーツは友達作りにも心身の健康維持にも役立ちます。

関連記事「北米はスポーツが正義!早期の友達づくりにも役立つスポーツ&趣味15選」も執筆予定です

2-4.アカデミックアドバイザー/カウンセラーを使い倒す

現地のアカデミックアドバイザーやカウンセラーは、留学生の強い味方です。

困ったことがあってもなくても、まず相談。適切なアドバイスを受けることで学業や生活の問題を解決しやすくなります。

Yuriko
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アカデミックアドバイザーは、「え、そんなのあるの?知らなかった!」という情報の宝庫です

2-5.「いい学校」を選ぶ

環境選びは重要です。

「いい学校」の定義は人によって異なりますし、入ってみないとわからないことも多いです。しかし一般的には「私立校の方がサポートが手厚い」です。また公立校なら「名門私立校がある学区」や「高級住宅街」の方が環境がいいです(それと学業レベルの高低はまた別の話ですが)。

スポーツやアート、科学技術など、特別な分野に力を入れた公立校も存在します。学校の情報は意欲的に収集しましょう。

Yuriko
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「2年目にしてやっとわかった!カナダ留学、学校の選び方」という別記事も予定しています


3.カナダ高校留学の失敗例にならないための心がまえ

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留学の成功には、適切な心がまえも重要です。以下のポイントを押さえておきましょう。

3-1.留学の目的を明確にする 英語力?卒業資格?異文化体験?

留学の目的を明確にすることが大切です。

英語力を伸ばすのか、卒業資格を取得するのか、目的によって必要な準備や心がまえが異なります。目的がはっきりしていれば、目標に向かって集中することができます。

3-2.「間違った理想」を持たない

留学に対して過度な期待や理想を持つと、現実とのギャップに苦しむことになります。

現地での生活や学業には困難も多いことを理解し、現実的な期待を持つことが大切です。

3-3.日本と比べない

留学先の文化や生活スタイルは日本と異なります。常に日本と比較するのではなく、違いを楽しみ、現地のよさを受け入れ、自分の成長に繋げるよう心がけましょう。

比較は適応の妨げとなり、孤立感を深める原因にもなります。

3-4.「おもしろそう」「やってみる」「まあいっか」の気持ちで

新しい環境や文化に飛び込むには、好奇心と柔軟性が大切です。

「おもしろそう」「やってみる」「まあいっか」という前向きな姿勢で、未知の経験を楽しむことが留学成功の秘訣です。


4.まとめ:目的を明確に。留学生本人の意思のあるところに道はひらける

留学は、子どもにとって大きなチャレンジであり、成長の機会でもあります。しかし、成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。

まず、留学の目的を明確にすること。英語力の向上や卒業資格の取得など、目標が明確であればその達成に向けて具体的な計画を立てやすくなります。

また、親の強い意志ではなく、留学生本人の意思が尊重されることが大切です。本人が主体的に動き、自分の選択に責任を持つことで、留学は成功に繋がります。親は柔軟な気持ちで見守ること、サポートするつもりで邪魔しないことが大切です。

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出典・参考文献

IIE Open Doors Report on International Educational Exchange
https://opendoorsdata.org/

NAFSA: Association of International Educators – International Student Economic Value Tool
https://www.nafsa.org/policy-and-advocacy/policy-resources/international-student-economic-value-tool

UNESCO Institute for Statistics – Global Flow of Tertiary-Level Students
http://uis.unesco.org/en/uis-student-flow

OECD: Education at a Glance
https://www.oecd-ilibrary.org/education/education-at-a-glance_19991487

British Council: Broadening Horizons – The Value of Overseas Experience
https://www.britishcouncil.org/education/ihe/knowledge-centre/student-mobility/report-broadening-horizons-2014

文部科学省: 海外留学に関する調査結果
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/__icsFiles/afieldfile/2020/07/02/1417198_1.pdf

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